★黄色い風船。
土曜日はお休みだったのでブックオフへ行きました。
もし、あのマンガが、あの棚から、あっちの棚に移されていたのなら、ゆっくり立ち読みをしてやろうと考えていたからです。
「してやろう」という表現なのは、私にとって立ち読みという行為は、ちょっと悪いことで、ちょっと悪いことをこれからしようとするのは、後ろめたさを吹き飛ばす勢いが必要だからです。「してやろう」という言葉にはどうも勢いがある感じがするのです。
そして、ブックオフに向かって歩いていると、手に黄色い風船を持った大人の人達、何人かとすれ違いました。
しかも2個ずつ。
大人が。
大人なのに。
そしてさらに歩みを進めると、どうやら、市長選候補の方が街頭演説をしている様子で、支援者の方々が黄色い風船を持っていました。
なるほど。
納得と同時に、ふいにある心配が頭を過ぎりました。
「風船もらっちゃったら、どうしよう」
これから、ブックオフに行くのに。
歩きなので、車に入れておくというワケにもいかない。
まさか、風船を持ったまま店内を徘徊し、立ち読みなんてできるワケがありません。
いや、やろうと思えばできるとは思うけど、どうにも変な感じになるではないですか。
第一、そんな感じで立ち読みをしている人を見たことがないし。
でも、欲しい気もする。
黄色い風船。
黄色っていうのがまた、幸せな感じがするし。
欲しい。
よしっ!もし貰えたら、風船を持って立ち読みしてやろう。
立ち読みだけでも悪い感じなのに、さらに風船を持って立ち読みをしてやるのだ、私はっ!
そう決心したのに、風船は貰えませんでした。
そしてあのマンガは、あの棚にも、あっちの棚にも置いてなかったです。
みんな買うんだね。